問われる政治家達の人事権
毎回,国会では重要なはずの法案が会期に間に合わず,上程されずに先送りにされたり,十分に審議されずに成立したりと,時間の制限により十分に機能が果たされないことが多くなっている。
野党欠席(維新は出席)のまま衆院厚生労働委員会は、政権が今国会の最重要課題に位置付ける働き方改革関連法案の質疑を始めた。
国民に選ばれた政治家達が国会を欠席し続ける正当な理由として,掲げているのが,財務次官のセクハラ発言の任命責任の追及だ。
プライマリナーな情報を引き出そうと,テレビ局が夜のお酒の席で女子アナと二人きりの状況で取材を続けた際の,何とも恥ずかしい台詞が,国会審議を放棄してでも正すべき正義と信じて#metoo(「私もそうだ」と泣き寝入りせずに声を上げる運動)を流用して,与党の責任を追及し続けて居る。#metooのプラカードを持つ議員達もセクハラをされたという意では必ずしもないようだ。
夜の酒の席を利用して女子アナを送り続けた上司や雇用主の責任では無く,情けない台詞を録音された官僚の人事権を持つ麻生大臣の任命責任,その大臣の任命責任を総理大臣に問い国会を正常化する為に,国会を欠席して,欠席中に法案を成立させるのは止む無しという正義だ。
欠席することによりセクハラ発言の責任追及を続けたい立憲民主党には,女優を強引にラブホテルに引き込もうとしたり,タクシーに同乗した女性の顔を自分の股間に押し付けようとした妻子持ちの国会議員もいるが,#metooのプラカードはその事でも無いようだ。
その議員は,「子を連れ去られたまま会えないような親は問題があるに決まっている」という差別発言で,子を拉致,分離強要されている被害者達の陳情活動を返り討ちにすると当事者団体からは聞かされている。
その議員が最終条文案を仕上げた共同養育支援法という議員立法は,今国会も上程の機会を失うのか,上程され審議されずに成立するのかは見通しがついていない。
さて,官僚の人事の任命責任があるからというそもそもの話に戻ると,その職責を果たしている大臣は少ないだろう。小池都知事が,防衛大臣の際に,事務次官と衝突して更迭した事実があるのだから,機能させることができる人事権であることは確かだ。
官僚の言いなりになるのは,スキル不足を補ってもらっている依存関係があるからだと海外の政治家からは指摘されることもある。
先日のEU連合からの書簡に対して不誠実な返答文章で済ませた上川法務大臣を擁護するロビー団体もあるが,同意しない対応を強要されることが無いことは,小池都知事が証明済みだから,この場合は上川大臣が同様の考えであると推認されても良いだろう。
具体的に法務省ではどんな幹部人事になっているのか確認してみたい。
先のEU連合からの書簡に関係しそうな3部門のトップの経歴を確認してみると,全員が裁判所からの出向であることが解る。(2018年5月現在)
国内外から批判を浴びている拉致司法と呼ばれる裁判官の独立性の濫用の問題がありながら,行政に司法が入り込み掌握し,立法関係者を手玉にとっているのが,日本の権力の構図である。
但し,官僚の言いなりになる必要が無いことは,小池都知事が示してくれている。
国民は送り込んだ議員が,官僚の言いなりになる背任行為を行わず民意を反映させるように働きかけなければならないだろう。
【参考】
【追記:2018年10月より】
法務大臣 山下貴司 岡山2区より選出
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