認知のずれと報われない命-子の拉致断絶問題をめぐって

法務省及は先日,ある写真をホームページやツイッターで紹介した。

平成30年4月27日に上川法務大臣が駐日ブルガリア大使や駐日イタリア大使らの表敬を受けたと報じられている。

EU28か国が連名で上川法務大臣に書簡を提出した件についてのミーティングだ。

「表敬」とは敬意を表すことである。

「敬意」とは尊敬する気持ちである。

すなわち法務省と上川法務大臣は,EU各国の大使らが,「尊敬する気持ちを表す為に訪問してきた」と写真と共に報じているのである。

写真中央の女性が尊敬されていると自認する方で両側の男性が尊敬する気持ちを表す為に訪問してきたとされる方々だ。

一方で,イタリアのニュースの字幕では,次のように訳されている。

「「デマルシュ」とは外交的申し入れのこと。軽いものではありません。抗議と呼びたく無いのでそう呼んでないだけです。しかし,外交の視点からの失望の公式な意思表示であります。」

本来伝えたい事は,抗議であったと在日イタリア大使は語っている。

EU28か国からの失望の意思表示を上川法務大臣に伝えたつもりでいる。

EU側は,「失望を伝えた」つもりであり

日本側は,「尊敬する気持ちを伝えられた」つもりでいる。

明らかに認知のずれが生じている。

伝える側の意図を真逆に受け止める方達が,子の拉致断絶について日本の裁判所は個別適正に機能していると主張し続けて居るのである。

この認知のずれの集合写真のフォトニュースを法務省や上川法務大臣が情報発信した数日後に,ブルガリア大使館書記官の転落死が報じられた。

3月に来日し,一連の「抗議」や「表敬」にも関わったとみられるが,死因や自殺の動機は明らかにされていない。

つい先日の,東京で警官を刺した後に自身の首を切りつけた男性も,子どもの親権争いであった事が後日判明した。男性は妻側にDVを主張され子どもと引き離されていた。

2013年12月文京区の小学校で,男性が焼身自殺をし,懸命に消火し助けようとした男性の子どもも焼死した。男性は虚偽DVで子どもと引き離されたと無念を訴えていた。

2016年新潟市陸上競技場の駐車場で男性が燃えているのが発見された。男性は子どもとの関係の手続きで近くの新潟家庭裁判所を訪れていたという。

チベットの僧侶などが行うように焼身は,死をもって「抗議」する手段とされることが多い。

裁判所に正義や法的救済があると信じて,書面を書き続けたが「認知のずれ」を痛感し,書面提出では意思が通じないと判断して,死をもって抗議しているとしたら何とも哀しい現実である。

ある日突然子を連れ去られ居場所も判らず声も聞かされぬ断絶を強要されている男性が,懸命に法的救済を求め続けた末に,東京高裁民事部の裁判官らの罷免を訴える事態が生じている。

訴追請求状には「(該当裁判官らは)求められる職務を遂行しているとは言えず,犯罪を優遇増長させているに過ぎず,当然に弾劾による罷免されるべきと判断」と記されている。

裁判所に法と正義があると誤解していた認知のずれがあったということなのだろう。

このような子の拉致断絶被害者達の必死の抗議が続く状況で

ある東京高裁民事部の裁判官はプライベートのSNSで別の社会問題に関連し次のようなつぶやきをした。

「ここまで国民が「非力」な国って,北朝鮮くらいしか思いつかない」

確かに,日本以外では,国家権力が子どもの拉致と親子断絶という本来犯罪行為に加担することなど許される筈がないだろう。

命がけの抗議がある一方で,日本特有の被害当事者行動もあるのだろう。

不当に子を奪われて怒って当然の事を「恫喝」「異常者」と曲解して毅然と対応しようとする者を貶める当事者団体もあるという。数々の無念の自死を引き起こしたDV防止法の悪用を改善せずに尊重することを明言した新たな立法を目指しているという。外国から見れば理解し難い日本の被害者特有の行動だろう。

「抗議」が「表敬」になり,怒って当然の態度が「恫喝」になり,数々の無念の死を招いた「天下の悪法」が改善されぬまま「尊重する」と新たに明言された立法が目指されている。
同意できる筈も無く異議を唱えると「他人の意見には一切従わない」と曲解される。

親子の絆をめぐり日本特有の「認知のずれ」が続くが,報われない命がけの抗議が必要とされない日が来ることを願ってやまない。


Taro's blog 報道されづらい真実

何故,こんな酷い社会問題が解決されずにいるのだろう?という問題が日本には溢れている。 司法がもし法と正義を守る機関では無かったら? 深刻な社会問題を票読みから見て見ぬふりする政治家ばかりだったら? 大手報道が取り上げをタブー視する人権問題があったら? 市民を言論弾圧するスラップ訴訟が横行していたら? 今,市民の勇気をもった情報発信が求められている。 発信者 小島 太郎