離婚後共同親権において選択制は有効か?
離婚後も双方に責任を…「共同親権」新制度検討
本日(2018.7.15),政府が離婚後の「選択的」共同親権を来年度から法制審議会で審議するかどうかを検討しているというニュースが配信された。
政府が、離婚後に父母のいずれか一方が親権を持つ「単独親権」制度の見直しを検討していることがわかった。離婚後も双方に親権が残る「共同親権」を選べる制度の導入が浮上している。
法務省は親権制度を見直す民法改正について、2019年にも法制審議会(法相の諮問機関)に諮問する見通しだ。
(読売新聞 YOMIURI ONLINE 公開記事より)
日本は独自の戸籍制度の影響もあり,先進国で唯一,離婚後に片親から親権を剥奪する離婚後単独親権の民法の規定がある。それを離婚の際に,離婚後も共同親権を選べるようにすることを審議することを検討しようかという事である。
今年3月に東京目黒区で実母と継父に虐待の末に殺害された女児は,「前のパパがいい」というSOSを発していたことから,親権を失っていた実父が虐待の事実を知る事が出来て居たら,あの悲劇は防げたのではないかという意見もある。
しかし,果たして日本で「選択的」離婚後共同親権で,子ども達の利益は守れるのだろうか?
離婚後単独親権下でも,共同養育の意向が元夫婦にあれば,今でも共同養育は可能である。
その比率は5:5である必要も無く1:9でも9:1でも協力的協議を拒まれなければ,法に支配される必要無く現行制度でも可能である。
しかし,婚姻中共同親権下であっても,片親に因る子の拉致や親子分離の強要など身勝手な親権濫用を違法とせずに優遇している日本において,選択的共同親権が導入されたらどうなるだろうか?
身勝手な単独実効支配強行親が離婚後共同親権を選択し無いことは明らかだろう。
つまり,現在も離婚後共同養育を実践しているような元夫婦のようなケースにおいて,別居親の親権を戸籍上維持することが可能になり,連れ去りや親子分離強要により親権剥奪された親には選択的共同親権の法改正の恩恵は無く,今後,よりマイノリティになり,問題がある親かのような差別視被害に苦しむことになるだろう。
仮に来年から法制審議会で審議入りして,4年後ぐらいから選択的離婚後共同親権が国会審議され始め,いつか成立したとしても,それまでに親権を失った親に適用されることも無くマイノリティに対する差別視被害に苦しめられるだろう。
では,現在の離婚後単独親権の代わりに「選択的」離婚後共同親権しか目指さない立法関係者たちの方針を甘受する場合には,どうしたら日本の親子の人権を守ることができるのだろうか?
身勝手な子の拉致に因る単独監護の開始を違法化する必要性
5年前に国境を跨ぐ子の連れ去りを違法とする国際条約に日本がようやく加盟した際に英国の市民団体は日本の拉致優遇司法を非難し,ようやく英国の子ども達が守られると語った。
「英国人の多くは日本の家族法を、夫婦間に葛藤が生じたとき連れ去りや面会拒否を促す悪名高き『人さらい憲章』とみなしてきた」BLOGOS 木村正人氏 公開記事より
日本では日本弁護士連合会が公式論集で「違法な筈の連れ去りは,有利に扱われることが一般的である」と周知させている程,連れ去り断絶という児童虐待と人権蹂躙を裁判官らが促し弁護士らが活用している状況となっている。
この児童虐待と人権蹂躙慣習に慣れ親しんだ法曹改革がまず必要とされるだろうし,世論喚起で改心することを期待するよりも,確り違法化するための制度が必要とされることは明らかだろう。
選択的離婚後共同親権を採用するアメリカにおいては,(避難理由なく)子どもを連れ去った親はテロリスト同様に指名手配され,長期の禁固刑や多額の罰金が科されている。
日本人の親に日本に連れ去られた後に、司法の助けを得て子どもが米国に引き渡された事例は、カリナちゃんが初めてだ。しかも、例外でしかない。元妻が今年4月に米ハワイ(Hawaii)島を訪れ、現地で児童誘拐容疑で逮捕されていなかったら、カリナちゃんが米国に戻ることはなかったからだ。
元妻は、ウィスコンシン州の刑務所で数か月身柄を拘束された後、カリナちゃんをガルシアさんに引き渡す代わりに長期の禁錮刑を執行猶予に減刑するという司法取引に応じた。「文明社会でこんなことは起きてはならない」とガルシアさんは語る。(AFP通信 BB NEWS 公開記事より)
日本以外の先進国や文明社会においても,子の連れ去りの違法性が阻却される制度は定められていることが多い。子どもへの虐待や主たる監護者への暴力である場合だ。
しかし,日本では,子の連れ去り時に,居所秘匿措置を申し出れば,その支援措置の利用を持って,DV案件と同様に扱われる為に,立証はおろか主張の必要すら無い。
不当目的利用が100%保証されている制度を活用しないのは依頼人利益に適わないという身勝手な正義で弁護士らが積極活用している状況になっている。
利権団体を票田に持つ立法関係者も,DV避難者を貶める存在であるとして「連れ去り被害親達」を「自覚の無いDV加害者達」と貶める行為に躍起になっている。
その為,虐待やDVと無縁で,子煩悩で監護に深く携わっていた親ですら,連れ去り失踪には,反論の余地なく,断絶が強要され,何か問題があったであろうと親として差別被害に苦しめられることになる。
アメリカでは子どもが片親に誘拐された場合には,捜索に行政が加担するが,日本では誘拐に行政が加担しており,余りにも対照的だ。
先ずはこの非文明的な,拉致優遇をやめなければ「選択的」離婚後共同親権など機能しないことは明らかだろう。
親子の交流妨害を親権停止要件とする必要性
では,連れ去りで無いケースにおける親子分離のケースではどうだろう。
協議離婚でも協議合意内容が守られないケースもある。
男性弁護士が,病気療養中の妻に十分な母子面会交流を約束して離婚したケースで,妻の入院中に立法関係者の女性と不貞をしていたと報じられたケースでは,母子の面会交流は係争中は行われないと主張され母子は会えなくされているという。
日本の裁判所は両親の葛藤が強い場合には,子どもが巻き込まれることは子の福祉に適わないと判断して,親子断絶を容認する実務の運用慣習がある。別居親の泣き寝入りを促す「人質交渉」推奨慣習だ。
では,「選択的」離婚後共同親権を導入しているアメリカのケースではどうなっているだろうか。
酒癖やDV,虐待があったと主張し離婚後単独親権を請求しているアンジェリーナジョリーとブラッドピットのケースにおいても,この夏の長期休暇の過ごし方を父子で話し合う事を裁判所が推奨しており,親子の関係を遮断する離婚後単独親権の請求は敗訴するのではという見通しになっているという。
離婚後の「選択的」共同親権制度を採用するアメリカには,親子断絶を「選択的」離婚後単独親権で幇助することは子の福祉に適わないという判断の基準がある。
日本の裁判官らの「泣き寝入りしない引き離され親には親子断絶を科す」という判断とは対照的だ。
アメリカでは,共同養育が行えない親には,共同親権が無くても面接交渉権が付与され,その内容は,毎週や長期休暇時など日本に比べるとかなり充実したものだ。日本では裁判所に面会交流の債務名義を求めると,2年ぐらい経ってようやく,裁判所職員の天下り先の軟禁監視付人権蹂躙で月に一回3時間未満という極貧の親子交流が与えられ,その債務不履行が続いても,間接強制(不履行に対する罰金)がとれるようにする為には又,手続きをやり直さなければならない。ようやく間接強制がとれる債務名義を得て,間接強制を求める訴訟を起こしても,支払っている養育費から支払われるようなもので断絶された親は複雑な気持ちだろう。そうこうしているうちに洗脳的虐待は完成され,親子の関係は破壊される。
日本が「選択的」離婚後共同親権を目指す場合には,単独親権者が一方親と子どもの交流妨害をした時には親権者変更要件と判断する必要があるだろう。
同様に婚姻中共同親権で親子の分離強要をする親権濫用者の親権を停止する判断も求められる。
親子引き離しの強要が児童虐待であるという認識の欠落している方達に因る審議遊びでは無く,素直に人権先進国や文明諸国の真似をして,日本の親子が共に生きる権利を不当に奪われない社会を一日も早く実現することが求められている筈だ。
追記:
事前に情報を得ていたので驚きは無かったニュースだけれども,離婚後単独親権を廃止する請願署名の発起人をしていることから,今朝から電話やメールが絶えない。
日頃,ツイッターで無念の吐露をしている引き離され親達も歓喜のツイートが続き,希死念慮に憑りつかれたツイートが暫く収まるのであれば,この報道は人道的貢献度が非常に高い。
一方で,引き離し利権者達は早くも,怒りを露わにし,親権を奪われている親達の差別視行動を活性化させ始めている。
歓喜に任せるだけでは無く,骨抜きや悪用をされず意味のある制度にする為に冷静な視点での情報発信や議論が求められるだろう。
参考情報:
単独親権の国とは? 北朝鮮、モンゴル、中近東、南アフリカを除いたアフリカ諸国、ボリビア、ギアナ,そして日本。
「選択的」離婚後共同(単独)親権を採用するアメリカの親権制度については下記のアメリカ大使館による解説を参照
法制審議会とは?
閣法と議員立法とは?
国会審議から成立までの流れ
2019.2.21追記
「連れ去り問題は「親権問題」ではない。
DV防止法の不備と裁判所の運用の問題である。
そこにフォーカスしない質問は、何度行っても解決には向かわない。」
という意見も出てきている。
#共同親権 #児童の権利条約 #ハーグ条約 #連れ去り #拉致ビジネス
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